フィトンチッドが多い森が健康に良いのか?

フィトンチッドには、さまざまな健康効果がわかってきています。

では、森林でリフレッシュなどの効果を感じるためには、フィトンチッドをたくさん含む樹木の生えている森に出かけるのが良いのでしょうか。

フィトンチッドの多い森とは

フィトンチッドが多い場所

1.樹木の種類
針葉樹林、または針葉樹と広葉樹の混交林

2.森林の場所
端から内部に30m以上、できれば50m以上

3.季節
夏(6月~9月)

4.時間
午前中(11時頃が最多)

『森と健康』全国林業普及協会2002

真夏の午前中は、樹木の活動が活発なのでしょうか。フィトンチッドも多いようです。そして、ある程度の面積がある森林、針葉樹のある森林がフィトンチッドが多いみたいですね。

下の表は、主な樹木のフィトンチッド含量を示しています。

一番多いのはトドマツで、これは「北海道モミ」という名前で精油が販売され、アロマテラピーにも使われています。

その他、ヒノキ、アスナロ(これはヒバともいい、青森ヒバの仲間)が多くなっています。

全般的に広葉樹よりも針葉樹のほうがフィトンチッドを多く含んでいます。広葉樹のクヌギ・シラカシ・スダジイなどは、ブナ科の樹木にはフィトンチッドはほとんど含まれていないようです。

 

 

トドマツ間伐体験をしたときの私。間伐したトドマツをさらに細かく切っています。(北海道下川町にて)

 

フィトンチッドが多い森が癒される森?

それでは、森で健康になりたいと思ったら、針葉樹の森に行けば良いのでしょうか。

ここで、みなさんに質問です。

以下の2枚の森の写真のうち、癒されたいなぁ、疲れたときに行ってみたいなぁと思う写真を1枚選んでください。

 

 

上記の写真のうち、①の写真は東京奥多摩のヒノキ林の写真です。

昭和40年代の高度成長時代に植林たもので、本来であれば、樹木の密度を低くするための間伐と呼ばれる作業が必要なのですが、そのままになっている森です。

この写真に写っているのはすべてヒノキなので、樹木密度も高く、この森のフィトンチッドは多いと考えられます。しかし、この写真の風景は暗く、うっそうとしていて、あまり快適とはいえないという人が多いです。

 

②の写真は、西武園遊園地の近くにある都立八国山緑地で撮影したものです。

ここは雑木林と呼ばれ、江戸時代から高度成長時代の前までは落ち葉を集めたり、炭や薪にする木材を切ったりするための里山として活用されていました。主な樹木はクヌギ・コナラなどの広葉樹です。

先ほどの表でもクヌギにはほとんど精油量はないので、②の写真の森にはあまりフィトンチッドは多くないと考えられます。

それでも、②の写真のほうが快適で癒されると感じませんでしたでしょうか。

ということは、癒しにはフィトンチッド以外の要素が関わっているのだと思われます。

 

ちなみに、癒しとは、「自然界との調和を感じ、安らいだりほっとする感覚」だと思っています。

 

五感刺激の快適性

フィトンチッド以外に癒しに関わる要素として、五感の刺激があります。

人間は、快適さを五感で感じるといわれています。快適・不快と感じるのは、すべての感覚を含めた総合的な判断を脳が行った結果なので、森林の効用は香り、つまり、フィトンチッドだけによるものではないと考えられます。

森林の中は五感に心地よい様々な刺激があふれています。私たちは五感全体で森の効果を感じとり、これらの要素が複合して効果をもたらしているようです。

五感刺激の快適性

1.視覚の快適性
(美しい風景・景観・草花・野鳥・蝶)

2.聴覚の快適性
(森の静けさ・風の音・小川のせせらぎ・。小鳥のさえずり・虫の声)

3.臭覚の快適性
(フィトンチッドなどの森の香り・花の香り・土の香り)

4.触覚の快適性
(土や落ち葉の感覚・木の肌触り・心地よい風)

5.味覚の快適性
(木の実・キノコなどの森の産物)

『森林療法ハンドフック』降矢英成

私たちが森林で癒されると感じるのは、五感の刺激から全身で快適性を感じ、調和を感じるからではないでしょうか。

 

また、森林にはたくさんの土壌生物・昆虫・カビなど、多種多様な生き物が生活しています。

現実に五感で感じられなくても、森林の大気には、これらの生命全体から生まれるエネルギーも満ちています。第六感的に自然との調和を感じるのかもしれませんね。

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師・森林インストラクター・メディカルハーブプラクティショナー・ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー・日本森林療法協会元理事