森林療法のエビデンス「嗅覚刺激」

森林が私たちの健康に及ぼす原因物質としてフィトンチッドの代表としてのαピネンの研究を紹介しました。

 

今回は、αピネン以外の香りの研究を紹介します。

 

木材チップの香りが与える影響

〔対象〕男子大学生14名

〔方法〕スギ、ヒノキ、ヒバ材チップから発散される香りを90秒間吸入させた。

〔結果〕ヒノキ、ヒバ材チップの香り吸入は収縮期血圧を有意に低下。スギ材チップも低下する傾向。

〔考察〕本人は不快であると感じた群でも血圧は低下し、生体にはストレス状態が生じなかった。

(森川ほか 日本木材学会研究発表要旨集,49:183,1999)

 

カモミールの香りが与える影響

〔対象〕20代女性13名

〔方法〕カモミールの花から抽出した精油を用いて血圧と脳活動を測定

〔結果〕全体平均の収縮期血圧はやや低下。快適であると評価した被験者でまとめると有意に低下。

〔考察〕一般的に謳われている効能に頼るのではなく、自分の価値観に基づいて好みの香りを選択することの大切さが明らかになった。

『森林浴はなぜ体にいいか』宮崎良文,97,2003

【筆者補足】

木材実験では、本人が不快と感じた群でも生体はストレス反応を示していない。これは、遺伝子に刻まれた記憶による調和の可能性が高い。

 

カモミール油の香り刺激は、不快であると感じても生理的にはストレス状態にならないが、快適であると感じた場合にはより強く血圧や脳活動が鎮静化することを示している。

森林は、そこに入るだけで癒しをもたらす効果を持っていますが、自分の主観を大切にすることで、より積極的な快適性、健康効果を得られます。

自分が快適だ、調和すると感じたことを健康のために取り入れるためにも、自分と対話をするセルフケアは重要です。

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師・森林インストラクター・メディカルハーブプラクティショナー・ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー・日本森林療法協会元理事