腸内細菌を感じる瞑想会の実施記録~ワタシはまるごとここに生きている。

はじまりの物語(2017年3月)

 あなたが自分の体と呼んでいる容器を構成している細胞1個につき、そこに乗っかっているヒッチハイカーの細胞は9個ある。

あなたという存在には脳と皮膚だけでなく、細菌と菌類が含まれる。

あなたの体はあなたのものである以上に微生物のものでもあるのだ。

『あなたの体は9割が細菌』アランナ・コリン著 河出書房新社より抜粋

 

私か食べたいと感じているのは、実は腸内細菌が食べたいと思っているものかもしれない。

実は、ココロは微生物が操作しているのかもしれない。

今、抗菌製品が流行っていますが、人類の歴史は微生物との共生の歴史でもありました。

 

「あなたの体は9割りが細菌」は、医学者ではなく微生物学者の著者だからこそ書ける、微生物への愛がつまった本です。

その本をテキストに、腸内細菌の世界を旅する勉強会を企画、勉強した後には腸内細菌を感じる瞑想も行いました。

 

“なんとなく怖い”

“なんとなく大切みたい”

 

という細菌の世界を一緒に旅してみましょう。

細菌が見ている地球界は、私たちが意識している世界とは、きっと異なる世界でしょう。

 

見えない世界を知識で感じる、ヒトの力

私たちの体に存在する細菌は、腸内細菌だけで100兆個、皮膚にいる細菌も入れるとさらに10倍もの数になるそうです。

 

ヒトの細胞が約60兆個なので、住み着いている細菌の方が多いんですね~。

で、私の手をじっと見つめてみましたが、シワが見えるだけです。

 

 

しかし、この表面にも、多くの細菌が住んでいるんですね。

 

ヒトの免疫系は、なぜこれだけ多くの微生物の侵入を許しているのだろうか。

『あなたの体の9割が細菌』より

 

もし有害なだけであれば、進化の過程でなくなっていてもおかしくありません。

今でも私たちは、細菌と共に生きています。

いや、細菌世界の一部で生きています。

 

 

目に見える世界なんて、ホンの一部。

目に見えなくても、知識で感じることができるのが、ヒトの能力です。

腸内細菌について学んだ後、腸内細菌を感じてみるのが腸内細菌を感じる瞑想会です。

 

新しいホラー映画『心を操る微生物』

人間は、腸内細菌の変化で自閉症を発症したり、

 

幻覚や事故を起こしやすくなる場合もあるこのこと。

 

また、マウスの腸内細菌を入れ替えることで、慎重なマウスが冒険好きになったり、逆に冒険好きなマウスが慎重になったりする研究まであるんです。

なんだか、ちょっとしたホラー映画を感じさせます。

恐るべし、腸内細菌。

 

 

アレルギーを制御して同居する腸内細菌

アレルギーを語る上で欠かすことのできないのが制御性(せいぎょせい)T細胞。wikipedia制御性T細胞

がんばりすぎる免疫細胞たちをなだめる役割です。

 

JAMHA(日本メディカルハーブ協会)で学ぶサプレッサー(抑制性)T細胞と厳密に言うと違いますが、まぁ、似たような役割をする免疫細胞です。

制御性T細胞は何をつたえているか

何故今制御性T細胞なのか

 

で、その制御性T細胞の数や効力をコントロールしているのが、われらが腸内細菌!!

 

なぜなら、自分が腸内に住み着くためには、制御性T細胞と仲良くする必要があるからです。

アレルギーでは、この制御性T細胞がうまく働いていないので、免疫系が暴走してしまうんですね。

 

腸内細菌は私の免疫細胞と仲良くして、住み込んでいます。

そして、神経伝達物質もどきを作り、

 

内臓に張り巡らされている迷走神経(めいそうしんけい)を介して脳に刺激を与えるそうです。

 

☆お勉強の夢の跡↓

 

腸内細菌がいるのが、丹田?

さて、しっかりお勉強したあとは、腸内細菌を感じながらの瞑想タイム。

その後、参加者さんのお一人が閃きました。

「丹田は腸内細菌がいる場所なのでは?」

 

なるほど~!!

丹田とは、の田んぼ。

簡単に言うとエネルギーの貯蔵庫です。

 

おへその少し下くらいに位置していると言われています。

wikipedia「丹田」
ハラ・丹田のパワー

 

私は学生時代に弓道をしていましたが、丹田をしっかり意識すると矢が当たると言われていました。


 

丹田を意識することは、腸内細菌を意識すること。

腹を温めるのは、腸内細菌を温めること。

ハラを決めると物事が進んでいくのは、腸内細菌がGOと言っているから。

 

そう考えると、人々は遥か昔から腸内細菌の声を聴いていたのかもしれません。

ああ、なんて深いんでしょう、腸内細菌!!

 

 

あなたの喜びはコンピュータで遺伝子を解析してもわからない。だって腸内細菌が決めているんだもの。

2003年、ヒトのDNAがすべて解読されました。⇒wikipedia「ヒトゲノム」

この遺伝子を細かく解析したら、病気のリスクも、性格も、適性な職業も、すべてわかるのでしょうか。

私の好みも運命も、コンピュータが教えてくれる時代がくるのでしょうか。

 

『あなたの体は9割が細菌』には、ラットでの実験が紹介されていました。

同じ遺伝子を持つラットでも、腸内細菌を入れ替えたら性格や好みが変わる。

 

ヒトのDNAを解析した結果、ヒトの遺伝子の数は科学者たちの予想をはるかに下回る少なさだったそうです。

こんなに複雑な社会生活をしているのに、植物のイネの半分だったとか。

 

個性を決定する要因は、どうやら遺伝子だけではないようです。

どんなに遺伝子を解析しても、「ワタシ」という個人は計算では測ることができない存在です。

持って生まれた遺伝子を発現させるかどうかは、腸内細菌も含めた環境が決定しているのです。

 

だったら、腸内細菌叢を解析すれば、ワタシのすべてがわかるのでしょうか?

いえいえ、どんなに腸内細菌叢を解析しても「ワタシ」という個人を測定することはできません。(ヒントは得られることはあるかもしれませんが。)

 

あなたのホントウの喜びは、コンピュータにはわからない。

あなたにしか、あなたを喜ばせてあげることはできない。

 

たとえ、今の願いが、腸内細菌による刺激を受けていたとしても、

今、ここで生きている、それがあなたなのです。

 

 

ハイアーセルフの声は腸内細菌の声?

最近、お腹の調子が悪くなるとリンゴを食べて、牛乳を飲みたくなります。バナナやオレンジではだめで、豆乳でもだめなのです。

リンゴを食べて、牛乳を飲むと、お腹が落ち着くのです。

もう、理由なんかわかりません。

 

昨日のブログでカラダの奥底から私を呼ぶ声が聞こえると書きましたが、私を呼んでいるのは、実は、腸内細菌の声だったのかもしれません。

自分の内側から聞こえる声が、ハイヤーセルフの声だと思っていたら、実は腸内細菌の声だったとしたら・・・。

 

腸内細菌が「演劇やりたい!!」と言っていたとしたら・・・・・。

一体、ワタシって、だれなんだ??

 

学べば学ぶほど、私という存在は腸内細菌たちを含んで「ワタシ」なのだと感じます。

だから、遺伝子がすべてわかったとしても、それが私のすべてではないのです。

 

これは、ただのホラー映画ではありません。

私という宇宙が、ここに存在しているのです。

 

ね。

 

腸内細菌を感じる瞑想会にいただいた感想です。

NHK特集か何かで(3回連続)やってほしい内容だと思いました❗️

そうしたらファ◯リーズとか、抗菌作用の◯◯とか恐ろしくて使えなくなると思うのですが…

わかりにくい本の内容をとても身近に感じることができました❣️

ありがとうございました。

感想ありがとうございました~!!

 

【おまけ】抗生物質は微生物のコミュニケーション手段かもしれない

2015年1月、NHKのサイエンスゼロという番組で放線菌が特集されたことがありました。

夢の化学工場”放線菌”

 

放線菌は、抗生物質をたくさん作る細菌さんたちです。

この番組で、

抗生物質は微生物間のコミュニケーション手段かもしれない。

という話を聞いて、ずっと気になっていました。

 

良い機会なのでググってみたら、2009年、Sceiceという科学雑誌に論文が掲載されていました。

『Antibiotics in Nature: Beyond Biological Warfare』

Science  26 Jun 2009:Vol. 324, Issue 5935, pp. 1637-1639

 

ネットではSummary(要約)しか読めないのですが、私の脳ミソでさらに要約してみました。

過去15年の研究で、微生物は、自然界の中ではコミュニケーションや彼ら自身の代謝に抗生物質を使っていることを確信した。(私の適当な訳ですので、重大な間違いがあったら指摘してただけると嬉しいです。)

 

抗生物質は、西洋医学の世界では奇跡のクスリ

代替医療の世界では悪魔のクスリ

微生物の世界では、ただのコミュニケーション手段かもしれない。

 

フラボノイドや精油だって植物のコミュニケーション手段となるのだから、微生物の世界で抗生物質がコミニュケーション手段であってもおかしくないですね。

 

まだまだ未知がいっぱいの細菌の世界なのです。

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事