森林療法のメニュー「五感を開くワーク」

森に癒しの力があることは、誰もが認めるところです。

森の中にいるだけで、私たちの心は開かれ、癒されていきます。

 

さらに、五感を全開にして自然を感じると、もっともっと心が開いていきます。

それには、ちょっとしたコツがあります。

 

 

いつでも、どこでもできるこのワーク、お昼休みにお弁当を食べる公園、ワンコちゃんとのお散歩道、お子様と遊ぶ公園などで、ぜひ試してみてください。

 

五感を開くワーク

自然の中で、気に入った緑の景色を眺めながら、軽く目を閉じてみましょう。

ヒトは、視覚からの情報が80%を占めるそうです。

その視覚を閉じて、他の感覚に集中していきます。

 

まずは、音に意識を向けましょう。

どんな音が聞こえるでしょうか。

 

一番遠くから聞こえる音は?

一番近くから聞こえる音は?

自分が心地よいと感じる音は?

 

鳥の声、せせらぎの音。あるいはヒトの話し声、電車や自動車が通り過ぎる音が聞こえるかもしれません。

じっと、耳を澄ませてみましょう。

 

 

次に、香りに意識を向けます。

緑の香り?

土の香り?

雨上がりの香り?

虫よけスプレーの香り?

キンモクセイの香り?

 

季節によって、天候によって変わるかもしれません。

今感じる、今日の香りに集中してみましょう。

 

 

つぎは、皮膚感覚に意識を向けます。

風は吹いているでしょうか。吹いているとしたら、どこから吹いてくるでしょう?

右から?

左から?

前から?

斜めから?

 

太陽の暖かさは感じられるでしょうか。

太陽の明るさはどうでしょう?

太陽はどこから当たっているでしょうか。

 

 

足の感覚にも意識を向けます。

足の裏にあたる靴の感覚、その下の土、あるいはアスファルト、あるいは砂利・・・。

 

 

 

自分の聴覚、嗅覚、触覚を十分に感じたと思ったら、ゆっくりと目を開けていきましょう。

 

そして、目の前の景色をもう一度感じます。

目を閉じる前と比べて、違いが感じられるかどうかを探ってみましょう。

 

 

さて、いかがでしたでしょうか。

 

このワークでは、最後に目を開けたとき、

 

「緑が鮮やかになった。」

「視界が広くなった。」

「奥行きを感じるようになった。」

「緑の中に存在する自分を感じた。」

 

などなど、ワーク前とはちょっと違う感覚を感じる方が多いようです。

 

参加者Mさんの声↓

一番はっきりと効果が実感できたワークでした。

ワークする前と、見える世界が変わってしまい、本当に驚きました。

視覚的には、奥行の感覚や輪郭や色のコントラストがすべてくっきりとして、その美しさにそのままずっとたたずんで見ていたいくらいでした。

 

さぁ、あなたはどんな感じがしたでしょう。

ぜひ、試してみてくださいね。

 

五感を開くとリラックスできるしくみ

私たちの日常は、決断の連続です。

間違いのない決断をするために、常に思考が働いて緊張を生み出し、私たちを守っています。

ところが、思考が働きすぎてしまうとリラックスの方法を忘れてしまうことがあります。

 

思考が生み出す緊張を緩めるには、カラダの感覚に意識を向けるのがいいそうです。

意識に思考以外のやることを与えておくことで、今必要のない緊張をしなくなる。

 

「五感を開くワーク」では、感覚器官で「カラダを感じる」ことで意識に「思考以外のやること」を与え、思考が生み出す緊張が緩まることで、リラックスしていきます。

 

五感を開いて自己尊重へ

五感に感覚を開くことはカラダの器官からの刺激を観察すること、すなわち自分自身を観察することになります。

 

感じ方は人それぞれで 正解はなく、一人ひとりの中に答えが生まれます。

 

モミの葉の香りを、

あるひとは、すっきりすると表現し、

あるひとは、ミカンの香りと表現し、

あるひとは、懐かしいと表現する。

 

自分が感じたことをひとつひとつ言葉にして肯定することで、自己受容、自己尊重の感情が生まれるように思います。

 

こうして、自然は私たちの心に癒しの扉を開けてくれるのです。

 

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事