アジサイの花びらは、なぜ下を向いてしまうのか?~精霊は余計な力はツカワナイ。

6月を象徴する紫陽花(アジサイ)。

12月、東京森めぐりツアーの日の新宿御苑では、こんな感じで花びらが下を向いていました。

 

冬のこの時期まで花びらが残っていることも驚きですが、なぜ、下を向いているのでしよう??

 

アジサイの花びらは、「ガク」

アジサイの花びらに見える部分は、植物学的には「萼(ガク)」。

普通のアジサイと違って、外側だけ花びらがついている、地味なアジサイを見かけたことはありませんか?

 

これは、ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla f. normalis)といいます。

実は、よく見るポンポンみたいなアジサイは、園芸用の改良品種で、この地味なアジサイが、日本に自生している原種です。⇒wikipedia「アジサイ」

 

で、アジサイの花びらみたいなものは、装飾化と呼ばれています。

つまりは“ニセの花”ですね。

 

ホンモノの花は、真ん中部分。よく見ると、小さな花の集まりです。

この部分、うっすら香りもするんですよ。

 

ガクアジサイという植物は、外側のニセの花で遠くから虫を誘い、内側の香りでホンモノの花に来てもらう作戦です。

じっくり眺めていると、ホンモノの花の部分に虫が来ることもあります。

看板と匂いで客を呼ぶ屋台みたいですね。

 

 

 

では、受粉が終わってしまったら、この看板は、必要でしょうか。

答えは「No.」。

 

アジサイにとって、看板をいつまでも掲げているのは力がいるのでしょうね。

力を抜いてリラックスすると、花はだら~ん、と、下を向きます。

 

必要のないところに余分な力は使わない。

植物の生き方は合理的です。

 

 

ちなみに、ポンポン型のアジサイには、香りがないものもあります。

なぜならニセモノだから・・・。

 

ホンモノだけのコアジサイ、麗しの香り

看板をつけないコアジサイ(Hydrangea hirta)というアジサイもあります。

ホンモノだけで勝負です。

 

このコアジサイ、すんごい、良い香りがするんです。

シャネルの香水の原料になったとも言われています。

 

花びら様のガクがない分、香りで昆虫を呼んでいるのでしょうね。

群馬県榛名山、掃部(カモン)ヶ岳で、登りがしんどい時にふわ~と漂うコアジサイの麗しの香りにホッとしたものです。

 

 

珠の中に再び珠があるタマアジサイ

番外編ですが、蕾のときに花をまとめて珠の中に入れるタマアジサイ(Hydrangea involucrataというアジサイもあります。

しかも、珠が開い中に再び珠が…。

 

タマアジサイは、なぜ蕾を珠の中に入れたのでしょうね?

水辺に生きるタマアジサイ。

花を水しぶきから守るためかな?

 

高尾山の川沿いの道である6号路では、8月にたくさんのタマアジサイに出会うことができました!!

 

アジサイの精霊に会ってみてね。

6月、ガクアジサイの香りを嗅ぐたびに、子孫を残すために真剣に生きているスピリットを感じます。

もしかしたら、これがアジサイの精霊なのかもしれません。

 

皆さんも、ガクアジサイを見かけたらぜひ、香りをチェックしてみてくださいね。

 

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事