江戸時代の動物研究は漢文を読むのね。
昨日の早稲田大学オープンカレッジ「生命(いのち)のにぎわいを探る」は、哺乳類のお話でした。
先週はクマで、今週はシカ。
哺乳類の研究というと、野山を駆け巡って野生動物を観察するのかなぁと思うと、なんだかちょっと憧れます。
もちろん、そんな研究もあるようです。
しかし、クマやシカに関して懸念されているのは生息域や個体数の増加。
江戸時代からの変動について調査しているそうです。江戸時代の生息域・個体数って、どうやって調べるのでしょう?
これは、津軽藩や盛岡藩の家老の記録帳から算出するのだそうです。熊は胆嚢、鹿は毛皮が江戸で高く売れたらしく、家老も小まめに捕獲数を記録しています。
漢文形式の記録帳をスラスラと読んでいく先生は、とても哺乳類の研究者とは思えません。一緒に手伝った学生さんも、まさかこの研究室で漢文読むとは思ってなかったんじゃないかな。
が、これが研究なんだなとも思うわけです。
知りたい事実をつかむために、研究者本人が元データに取り組む。
そこから滲み出るのは、本物のエッセンス。
ジャーナリズムの情報は、なんとなく消費者が喜びそうな情報に加工されている匂いがして、あまり気持ちよく感じないことがあります。
一次情報と向き合った研究者の話は、情報消費者への媚びがなくて、清々しく感じます。
フィールド調査もやるし、漢文も読む。
きちんと情報に向き合った人の言葉は、視野も広い。
これは、このシリーズを通して、どの先生からも感じました。
そして、この生物多様性シリーズの先生たちからは、シャドーの陰りもあまり感じなかったのですが、その話は、いずれまた。
↓絵を習っていたときに描いたウシのスカル。
(哺乳類の写真がこれしかなかった。)
プロフィール

- 森と魂のセラピスト
- 薬剤師・森林インストラクター・メディカルハーブプラクティショナー・ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー・日本森林療法協会元理事
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