直感を信じて、言葉にして「森の癒し」から「心の癒し」へ

「森の癒し」は、遺伝子の記憶、「大いなるもの」との一体感、そして自分とのつながりだとお話してきました。


 

現在、NPO法人日本森林療法協会では、「森林セルフケア」という名前で普及活動を行っています。

 

 

 

セルフケアで自分とのつながりを深める

森林セルフケアに限らず、セルフケアは以下のような流れで行われます。

①自分で選択する。
自分の体、健康状態を感じて、今の自分に合っているものは何かを自分で選び取るハーブアロマセラピーも、自分で選ぶことができるようになるために、皆さん勉強しています。
②自分で検証する。
これは、実施した結果、どんな変化が起きたかを自分で感じること。自分の体調はどう変化したのか、温まったのか、冷えたのか、落ち着いてリラックスしたのか、さっぱりして元気がでたのか、を、自分で検証する。
③再び自分で選択する。
検証した結果、続けるのか、他の方法に変更するのか、自分で選択する。

 

セルフケアは常にこの繰り返しです。大切なことは、しっかりと感覚を研ぎ澄ませること。この流れを繰り返すうちに、自分自身への感受性が高まり、自分とのつながりが深まっていきます。

自分とのつながりが深まれば深まるほど、自分自身の奥から答えがやってくるようになります。

あなたにとって何が大切なのか、他の誰かに教えてもらわなくても、あなた自身は答えを知っているのです。

 

 

直感は、自分が何をしたいのかを知っている。

ここで、スティーブ・ジョブズ氏が2005年6月にスタンフォード大学で行った演説からの抜粋を紹介しましょう。

ご自身がすい臓がんの宣告を受けて死と向き合った時のことを回想し、誰か他の人の人生を生きることで時間を無駄にしてはいけない、他の人の意見という雑音に自分自身の内なる声をかき消されないようにしよう。という流れの中の一節です。

『And most important,
そして何より大事なのは、

have the courage to follow your heart and intuition.
自分の心と直感に従う勇気を持つことです。

They somehow already know what you truly want to become.
あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。

Everything else is secondary.
ほかのことは二の次で構わないのです。』

 

セルフケアによって自分の感覚を継ぎ澄ますことは直感を信じる練習になります。

 

誰かが森に行った方が良いと言ったから。

良いデータがあるから。

有名人がパワースポットだと言ったから。

 

それも楽しそうですが、自分が行きたいと感じる、行ってみて良かったと感じたことを大切にすることが、「森の癒し」を受け取る下地ではないでしょうか。

 

直感に従う「勇気」

ところで、スティーブ・ジョブズ氏の演説で出てきた「直感に従う勇気」。

なぜ、「勇気(courage)」なのでしょうか。

それは、心の声を「自分の真実の声だ」と認識するまでには、慣れるための時間がかかるからだと思います。筋トレが必要なのです。

 

私が初めて過去世を見るヒプノセラピーを受けたときのことです。

「はい、過去世に来ましたよ~。」と、言われても、

いやいや、今の私のままだし。
何にも見えないし。
何も感じないし。
現在の自分がいるだけだし。

・・・という状況でした。

 

今思えば、自分が感じたことを信じて言葉にする、という初めての体験だったのです。その後、様々なヒプノセラピーを受けてみて、なんとなく、理解してきました。

 

感じて、

信じて、

言葉にする。

 

これを繰り返す中で、少しづつ、自分の感覚と仲良くなり、そこから、言葉にする勇気(courage)が生まれてくるのです。

・・・

 

 

「言葉」で思考とカラダをつなぎ、次なる「心の癒し」へ

勇気をもって直感を信じたあとは、「言葉にする」ことです。

私たちの脳は、思考をまず日本語として認識します。それだけでも、ふわ~っとしていたエネルギーが収束していきます。

さらに、声帯を震わせ、音声として発すると、エネルギーがギュッと集まって密度が濃くなります。

音声にすることは、声帯という肉体を振動させ、地球の大気(窒素約80%、酸素約20%)を振動させること。

私たちは、ビッグバンから130億年を経て、今、地球の上に生きています。言葉にするということは、今、ココの私を体感することでもあります。

 

心理やスピリチュアル系のワークでは、感じたことを言葉にすることがあります。自分へのメッセージ、伝えていなかった感謝の思い、などなど。

言葉にしたとたんに、感情があふれてきて、涙が止まらないこともあります。

涙も、声も、物質であるカラダの働きであり、それなりにATP(アデノシン3リン酸)を消費しての生命活動です。

(↑wikipedia『アデノシン3リン酸』より)

 

 

そう、ここで、思考とカラダがつながります。

 

だから、感じたことを言葉に乗せてシェアすることも、自分とのつながりであり、「癒し」の要素の一つなのです。

 

感じて、

(勇気をもって)信じて、

言葉にする。

 

こうして、自分とのつながりを深めていくことで、さらなる深い癒しへの入口、「森の癒し」から「心の癒し」への扉が開かれていきます。

 

プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事

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