森林療法・森林セルフケアとプロセスワーク

私は2015年の秋からプロセスワークを学んでいますが(⇒プロセスワーク体験記)、森林療法・森林セルフケアとはとても相性が良いと感じています。

昨年の森林セルフケアフォーラム2017では、実際にプロセスワークを取り入れた体験ワークを実施しました。

今日は、私が感じるプロセスワークと森林セルフケアの接点を紹介したいと思います。

プロセスワークとは

プロセスワークは、アメリカのユング派心理学者だったアーノルド・ミンデルが創始、発展させたもので、プロセス指向心理学とも呼ばれます。⇒wikipedia「プロセス指向心理学」

プロセスワークでは、「すべてに意味がある」という考え方を大切にします。何か問題が起きたとき、「問題」を感じている自分の心を無意識の領域まで深く探究すると、新しい知見を得られることがあります。「問題」も意味があって起きているのです。⇒幸せになるヒミツ~原因論から目的論へ

そのため、ものごとをできるだけありのままに観察し、全体を意識し、より大きく深い意識でものごとをとらえます。これは、個人セッションでもグループワークでも同じです。

ありのままを観察し、

・今、ここで何が起きているのか。

・何が起きたいと願っているのか。

そんな、微細なエネルギーを感じ、個人やグループの「無意識の領域に隠されている願い」を探究するのがプロセスワークです。

参考⇒「すべてに意味がある」と「問題の中に答えがある」

 

森の中では新しい意識が生まれやすい。

その場のエネルギーに感覚を研ぎすますことは、森の中で自然の声を聴くのに似ています。(⇒ファシリテーションは、森の中で自然界の声を聴くのに似ている。)

森の中で心を静かにすると、周りの環境の「微細なエネルギー」に敏感になり、自然界の声が聞こえたような体験を持つ人は多いでしょう。

「微細なエネルギー」に敏感になると、自分でも気づいていなかった無意識領域での深い願いが浮き彫りになり、今までと異なる新しい意識が生まれることがあります。

それは、より大きな自己からの視点であり、問題も含めて「全体が自分だ」と感じる意識です。

すると、「問題」は別の形に姿を変え、豊かな世界が目の前に開けてくる。私はそれを無意識領域からの贈り物だと思っています。

五感を刺激する森の中では、「微細なエネルギー」に敏感になりやすく、新しい意識も生まれやすいと感じています。

 

心の安らぎ、+無意識領域の願いへ

森林療法・森林セルフケアには、血圧やホルモンバランスなどをケアする『身体のケア』と、心が安らぐ、心地よい、癒されるなどの『心のケア』があります。

森の中で五感を開いて、気功をして、ハーブティを飲んで、リラックスすると、心が安らぎ、心がケアされます。これは、500万年にわたる人類の歴史の中で99.99%以上を自然環境の中で生きてきた遺伝子の記憶によるものなのでしょう。⇒森の癒しは遺伝子の記憶による調和感

もちろん、その安らぎが一番大切なのですが、「家や会社に帰れば、いつもの問題が待っている。」、あるいは「五感が開きすぎて、都会の喧騒にストレスをより強く感じる。」という声を聞くこともあります。

私自身も、自然と親しむことで心がケアされ、自己肯定感自己受容感を得られましたが、それだけでは、まだまだ家族や職場での衝突にストレスを感じる毎日を送っていました。

私の場合は、プロセスワークをはじめとした無意識領域を探究するセラピーを数多く受け、「押し込めていた深い願い」に気づくことで、徐々に他者との衝突が少なくなり、生きることが楽しく、楽になっていきました。⇒ココロ&魂の旅路

このような、無意識領域に隠されている感情をアメリカの思想家ケン・ウィルバーは『シャドー』と呼び、積極的に探求して健全な形で解放・統合することが、私たちが包括的な治癒と成熟を実現していくためには必須であると述べています。(「ケン・ウィルバー『インテグラル理論入門』春秋社」より)

 

森林は、「無意識領域を探究してシャドーに向き合え」とも言わないし、どんな言葉もかけてはくれません。しかし、森の中では人は心を開き、心がケアされます。

なぜなのでしようか。

 

森林セルフケアは「全体は自分だ」と感じる素養を育む

森林は、すべてに意味がある存在です。植物動物細菌昆虫もすべての存在に意味があり、森林はバランスのとれた持続可能な世界を創り出しています。

さらに、台風洪水も人間にとっては大きな問題ですが、自然界にとっては、新しい命を育む土壌となることがあり、すべてに意味があるのです。

さらに、五感で自然を感じていると、ものごとをありのままに感じ、自分も自然の一部であり、地球全体、社会全体を自分だと感じる大きな意識状態に至ることができます。

森林療法・森林セルフケアでは、「微細なエネルギー」に敏感になり、「すべてに意味がある」「全体は自分だ」と感じる素養を育むのだと思います。

 

森林療法・森林セルフケアはシャドーに取り組む勇気を与える

また、無意識領域に隠している『シャドー』に向き合うには、ある程度勇気が必要です。多くの人が、無意識領域の願いに気づくことを恐れています。私もそうでした。

私に、『シャドー』と向き合う勇気をくれたのは、自然体験です。

何もジャッジせず、すべてを受け入れてくれる自然の中で、「微細なエネルギー」を感じて、「すべてに意味がある」、「全体が自分だ」と体感する森林セルフケアは、無意識領域を探究して『シャドー』に取り組む勇気を与えると思っています。

森林はシャドーと向き合う勇気をくれる

 

野外体験メニューとしてのプロセスワーク「大地のワーク」

最近、森林療法・森林セルフケアで取り入れているワークの一つに「大地のワーク」があります。これは、自分の好きなもののエネルギーを感じるワークです。

プロセスワークでは、無意識領域に押し込めている願いが、嫌なこと好きなこととして目の前に現れると考えます。すなわち「好きなこと」も、押し込められている自分のエネルギーの一つとみなします。

「大地のワーク」のポイントは、“好きなものそのもの”になることです。樹木が好きだったら、樹木そのものになる、ハワイの海が好きだったら、ハワイの海そのものになる。

その対象になりきって「微細なエネルギー」を体感するのがプロセスワークの特徴です。

好きなものになったら、質感を感じて、身体全体で表現して、動いていきます。エネルギーの本質を体感したら、そこからメッセージをもらいましょう。

しっかり身体でエネルギーを感じると、多くの場合、参加者それぞれがとってもステキなメッセージを受け取っています。

森林療法・森林セルフケアは心のケアの基盤、プロセスワークで深く豊かに。

私にとって、森林療法・森林セルフケアは心のケアの基盤です。

その基盤をしっかり持ちながらプロセスワークで無意識領域を探究することで、心の奥底に隠されていた深い願いに気づくことができました。

今後は、森で無意識領域を探究するワークショップなどを実施していけたらと思っています。ご興味ある方がいましたら、ぜひお越しくださいね。

《2018年6月 NPO法人日本森林療法協会 会報誌寄稿文をリライト》

 

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師・森林インストラクター・メディカルハーブプラクティショナー・ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー・日本森林療法協会元理事