サルに無視された体験~森の精霊からのプレゼント

今日は、森林療法の講座でいつもお話している

“サルに無視された体験”

を紹介します。

 

(2008年11月、穂高養生園で撮影)

 

 

2008年、目の前の現実から逃避したかった私は、1週間休みをとって長野県の穂高養生園で過ごしたことがあります。

穂高養生園は、安曇野の森の中にある養生を目的とした宿泊施設です。

ホリスティックリトリート穂高養生園

 

食事はすべてマクロビオティック。

 

しかも、朝10時半と夕方5時半の1日2回のみで、その他はすべて自由時間なので、施設でゴザを貸りて近くの森の中で瞑想をする毎日でした。

 

 

季節は11月上旬、秋真っ盛り。

野生動物も冬に備えてしっかり食べる季節です。

 

森の中で瞑想をしていると、サルの群れがやってきました。

子ザル、親ザル、ボルザル(みたいな大きいサル)、全部で20匹くらいの群れでした。

 

不思議と怖くありませんでした。

 

お菓子を持っていなかったし、瞑想していてぼんやりしていたことも影響しているでしょう。

サルの方も私に気づいていたようですが、特に興味を示すことなく食べ物をつまみながら私の前後を遠巻きにして通り過ぎていきました。

 

そう、私はサルに無視されたのです。

 

一番近くを通ったサルは、10mくらいの距離だったかな。

それはまるで、自分が森の一部になったかのような、森と一体化したかのような、不思議な体験でした。

 

 

先日、講座でこの話をしていてふと気づきました。

 

この体験の中にある私の記憶は、

世界のやさしさであり、

絶対的な安心感であり、

自分を超えた大いなるものとのつながりだったのです。

 

私はこの世界にいても安全である。

 

無意識領域に入っていたそんな感覚を思い出しました。

 

「野生のサルは攻撃する」という先入観を脇に置いて、『こちらに攻撃の意思がなければ、相手は攻撃してこない。』と感じた体験は、森の精霊から私へのプレゼントだったのかもしれません。

 

もちろん、この方法を皆様にお勧めするものではありません。

穂高養生園のスタッフにも、サルには十分注意するように言われました。

 

しかし、私の中で、自然界や人間社会との関わりを信頼する記憶として大切に保管されています。

これが、もしかしたらセラピーで「シャドー」と向き合う時の信頼に繋がっているのかもしれないな、と、思っています。

森林はシャドーと向き合う勇気をくれる?

 

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事