森林療法のメニュー「グラウンディング」
2013年、自分自身とのつながりを求めていくつかのワークショップを渡り歩いていたとき、本郷綜海さんが主宰する「グラウンディングコーチ養成コース」というワークショップに参加しました。
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通常、グラウンディングとは「地に足つける」という意味や「現実を生きる」「今、ここに居る」という意味で使われることが多いですが、私が参加したワークショップでは、特に「自分自身の身体をしっかり感じる」ことに重きを置いていました。
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自分自身の存在をしっかり感じた状態で周りの環境(他人や自然や社会など)を感じると、今までとは異なる感覚で自分と環境との関係を捉えられることがとても興味深かったものです。
これは、森林セルフケアにも応用できるのではないかと思い、2014年から森林セルフケアでのメニューに取り入れています。
具体的には、目を閉じた状態で頭の真ん中から体の真ん中を通って足の裏までを徐々に感じていくだけです。
私も自分自身で同じことを行いながら、参加者の皆さんには声で誘導していきます。
足の裏まで感じたところで、森の音、太陽の日差し、風など、感覚を外へ広げるように誘導し、自分と森の感覚を十分に味わったところで目を開けてもらいます。
それだけのことですが、このメニューの後では参加者の雰囲気ががらりと変わる印象があります。
いろいろな場所に飛び交っていた意識が収斂して落ち着く感じです。
具体的な言葉としては、
「このメニューの後、森林の音がはっきりと聞こえるようになった。」
「目を開けた時、森の木々が語りかけてくるような気がした。」
など、その場所の森林と各自の存在との結びつきが強くなる傾向があると感じています。
NPO法人日本森林療法協会の元理事長である奈須憲一郎さんの言葉に「森林セルフケア体験会は、自分観察会である。」という言葉があります。
この言葉は、自然体験プログラムの中での森林セルフケア体験会の位置づけをわかりやすく表現していると思い、いつも使わせてもらっています。
自分を観察する一つの方法としての森林の中でのグラウンディング、機会があれば、皆さんもぜひお試しください。新しい自分と森林との関わりを発見できるかもしれません。
プロフィール

- 森と魂のセラピスト
- 薬剤師・森林インストラクター・メディカルハーブプラクティショナー・ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー・日本森林療法協会元理事
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