「テロリズムを統合する」アーノルド・ミンデル『ワールドワーク』読書メモ

現代世界の大きな課題である、テロリズム。

怒りと悲しみの連鎖に、いつも自分の無力さを感じていました。

 

ところが、テロリズムでさえ、「生ききっていない自分のエネルギー」と、とらえることで、世界が変容していく可能性を持っているのがプロセスワーク。

 

プロセスワークでは、社会にも「シャドー」が存在すると考える。

 

だからこそ可能になる祈りがある。

 

 

以下、プロセスワークの創始者であるアーノルド・ミンデルの著書からの抜粋です。

文章の奥に流れる人類への愛を感じます。

テロリズムを統合するということは、より多くの人たちが自分の人生をかけて自分の感情や信念を生きることを意味する。

~中略~

もし私たちが自分の信じることのためにしっかり立ち上がり、テロリストの役割をもっと生きようとするならば、実際のテロリストのエネルギーを奪うことになるだろう。

テロリズムを統合することは、雰囲気をリサイクルし、浄化することを意味する。

それは、人生をもっとエキサイティングにすることであり、そのことによってテロリズムへの関心は和やわらぐだろう。

アーノルド・ミンデル著『ワールドワーク』より

 

テロリズムのエネルギーは、

『自分の人生をかけて自分の感情や信念を生きること』。

 

私たちひとりひとりが、このエネルギーをしっかり生きることで、世界が変容する可能性。

私は、ここに、一筋の光を見ています。

決してテロリズムを肯定しているわけではないことを、どうぞご理解くださいませ。

 

 

少数派へのエール

ミンデルさんは、少数派の人々へのエールもエッジが効いています。

少数派の人々に、自分の立場を主張するだけではなく、多数派の立場にも立とうと呼びかけます。

もしあなたが少数派のひとりならば、自分が世界から受け入れられるなどとナイーブに信じてはならない。

あなたにとってのグローバルな自覚の始まりとは、多数派の言葉で自分を紹介し、自分の行動だけでなく、多数派の行動も尊重することを意味している。

~中略~

あなたが希求する自覚を多数派だけに求めてはならない。

自分も同様の自覚を持ち、自分の立場だけでなく、相手の立場を尊重・想像することを試みるのである。

アーノルド・ミンデル著『ワールドワーク』より

 

それは、U理論で言う他人の靴を履くこと。

①対話と視点の転換(相手の立場になってみる)により対立を超えた気づきのUの谷を降りる

Uの谷底で源、人間としての源泉につながる。

③新しい未来を築く創発のプロセスでUの谷を登る

 

多数派だろうが少数派だろうが、相手の立場に立ちながら対話をしていくことが大切。

なんだけども、それが難しいのが、感情を持つ私たち人間。

 

まずは、自分を癒すこと。

その先にある、テロリズムのエネルギーをも統合していく地平に希望を持って、癒し続けよう。

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事