「植物の知性を考える」3回シリーズの記録

【はじまり】『植物は<知性>を持っている』との出会い

トマトは虫に襲われると周囲の仲間に危険を知らせる。

マメ科の植物は細菌と共生し、それぞれにとって必要な栄養分を交換し合う。

~中略~

その知略に富んだ生き方を植物学の世界的第一人者が長年にわたり科学的に分析し、

明らかにした刺激的な一冊。

植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム [ ステファノ・マンクーゾ ]

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より

 

以上は「植物は<知性>を持っている」NHK出版の表紙裏の紹介文です。

この衝撃的なタイトルに思わず惹かれ、タイトル買いをしました。

 

しかし、この本の内容はとても科学的で、実験と観察に基づいた事象を説明しています。

この本の内容を3回シリーズで読み解く勉強会を企画しました。

その記録です。

 

第1回7/12 第2章「動物と違う生活スタイル」、第3章「20の感覚」

第2回8/9 第4章「未知のコミュニケーション」

第3回9/13  第5章「はるかに優れた知性」

 

《持ち物》
以下の本を各自でご準備ください。
当日販売は行いませんので、ご留意ください。

「植物は<知性>を持っている」NHK出版
ステファノ・マンクーゾ+アレッサンドラ・ヴィオラ著、久保耕司訳

 

【準備中のつぶやき】動物は中央集権、植物は地方分権~植物と動物の大きな違いは『集中と分散』

準備をしながら、植物と動物の違いについて思いを馳せています。

植物と動物の違いは何でしょう?

 

植物は光合成をして生存に必要なエネルギーを太陽から手に入れる。【独立栄養生物】

動物は他の生物を摂取・消化して必要なエネルギーを手に入れる。【従属栄養生物】

 

これが、一番の違いですね。

そのために植物は動かないことを選び、動かずに生きる身体の構造を作ってきました。

 

 

 

改めて植物の生き方を見直すと、動物とは異なる生命戦略をしている生き物だと実感します。

動物、特に脊椎動物は、「個」としての生命体を維持するために、神経系を発達させ、脳という特別な場所で全身をコントロールするシステムを作った。

 

それは、歴史で出てくる「中央集権国家」を思い出す。

情報はすべて中央に集めて、そこで判断して指令を出す。

 

一方の植物は、「動かない」生き方でDNAを残すために、レゴブロックのようなモジュール構造、分散構造にした。

動物では脳、肝臓、心臓などの各器官に集中している機能が、植物では分散している。

 

植物は『脳』という制御センターを持たないけれども、各モジュールが変化を知覚し、互いに協力しながら新たな解決方法を準備し、生き残ってきました。

こうして、繰り返される大災害、環境の大変動に適応しながら、地球上で繁栄しています。

 

多少、イモムシにかじられようが、ヤギやウシに食べられようが、そんなに大きくは困らない。

 

なぜなら「特別な場所」がそんなにないから。

全身の感覚器で状況をとらえ、今、どう生きるかを選択する。

 

まるで、現場判断を任されている企業のようだなと思ったわけです。

「事件は現場で起きているんた!!」と、すべての細胞が叫んでいるみたい。

 

・・・いや、叫んでないな。

粛々と各現場で業務を行っている感じかな。

 

これは、今、組織開発で流行の、ひとりひとりの自主性を大切にする「ティール組織」っぽい??

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各現場の情報を伝達するシステムには、動物の神経細胞と同じ電気信号を使っているそうです。

細胞と細胞が実はトンネルでつながっていたり、細胞壁でも情報伝達をしていたり。

自然界のことは、まだまだ、知らないことがいっぱいです。

 

「植物的な生き方」というのは、争いをせず、平和を愛する生き方というより、「個」の強さと「連携」の強さのバランスがとれている生き方かもしれない。

 

ああ、だから、植物のグラウンディング感ハンパないのかな。

全身に意識がある感じ。ですね。

 

【第一回報告】植物細胞はトンネルでつながっている?!

第一回は、第2章「動物と違う生活スタイル」&第3章「20の感覚」でした。

植物と動物の違いはある程度わかっているつもりでしたが、気合を入れて調べると、まだまだ新しい発見がいっぱいです。

 

今回の大発見は以下の二つ。

①電気信号による植物の情報伝達

②原形質連絡

 

①電気信号による植物の情報伝達

動物の神経細胞では、一つの細胞内の情報伝達に電気信号を使っていることは、良く知られています。

Wikipedia「活動電位」

 

この電気信号、植物細胞やゾウリムシでも使っているとのこと。

 

その昔、生命が誕生したとき、周りの海と自分とを分ける境界線として誕生した細胞膜。

この細胞膜を使って電気信号で情報伝達するシステムは、すべての生命で同じなんだとか。

 

・・・と考えたら、

植物どころか、カビもゾウリムシも大腸菌も、みんなみんな、生きているんだ友達なんだ~。という気持ちになってしまいました。

 

②原形質連絡

植物細胞は細胞膜と細胞壁で囲まれています。

ここまではハーブスクールでも学びます。

 

ところが、植物細胞には細胞と細胞とつなぐトンネルがあって、細胞の中身(原形質)がとなりの細胞とつながっているそうです。

http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~plphys/shinobuhomepage/CellWall.htmlより

Wikipedea「原形質連絡」より

 

このトンネルを通って、小さな物質だったら通ることができる。

細胞膜も隣同士の細胞でつながっている。

 

・・・ということは、電気信号は、細胞膜を通ってとなりの細胞に伝わることができる。

隣の隣のその隣、どこまでも遠くの細胞に伝わることができることになります。

 

動物の神経細胞はひとつひとつ離れているのでその間をわたる神経伝達物質を使いますが、植物の細胞ははつながっているから、神経伝達物質いらないことになります!!

京都産業大学HPより

 

その昔、生命が多細胞化するとき、ある生命は細胞と細胞をトンネルでつなぎ、ある生命は細胞と細胞の間をわたる伝達物質を作った。

 

動物と植物。

 

全く異なる生き物のようでいて、奥底には、同じ生命の息吹が流れている。

自然科学を突き詰めていくと、いつも宇宙とか魂を感じてしまう。

 

だから私は、自然科学が大好きです♡

 

【第二回報告】植物は宇宙に近い存在

第二回は、第4章「未知のコミュニケーション」でした。

今回の私的トリビアは、植物の”維管束システム”。

コトバンク「維管束」

 

http://exam.fukuumedia.com/rika1-34/より

 

植物の維管束(いかんそく)は、動物での血管と似ている。

養分が溶けた水分が移動する生体内のトンネル管だ。

 

根から吸収した水分を下から上に移動するのが、「導管」、光合成でできたブドウ糖などを他の部位に届けるのが、「師管」

 

高校生の時、”水道管のイメージで水は導管”と覚えていたのを思い出しました。

血管と違って心臓ポンプがない維管束では、植物はどうやって水を運んでいるのか?

 

導管は気孔からの蒸散による陰圧を使い、師管は糖の浸透圧を利用した陽圧を使っている。

このサイトがわかりやすかった。

陰圧と陽圧

 

難しいようだが、陰圧も陽圧も基本は物理現象。

つまりは、宇宙の法則。

 

植物は動物ほどの動きをしないため、ポンプで素早く血液を循環させる必要がない。

心臓ポンプというものすごくエネルギーを必要とする臓器を作らずに、なるべく宇宙の物理法則を利用する。

そのかわり、じんわ~り、水分は移動していく。

 

 

大きな樹木だと、何日もかかるのだとか。

急ぐ時は電気信号ですばやく情報伝達するから、これで問題はない。

 

なんかねぇ、生命体としてのコンセプトが基本的に違うの。

あくせく生命活動をするのではなく、宇宙物理の法則をうまく利用して生きている。

 

動物と比べたら、より宇宙に近い存在だなぁ。

と、思ったのでした。

 

【第三回報告】はるかに優れた知性

第三回は、参加者さんの感想を。

 

第一回目から、この本を読み解く中で言われていたことは、植物は地方分権主義という事だった。

植物は生きていくために自ら栄養素を作り出し、葉、茎、根の各パーツごとに置かれている状況を判断し対応している。

 

私たち人間に例えたら、なんて完璧な人なんだろうと憧れてしまうだろう。

植物たちはそれを当たりまえに、生まれながらに行っている。

 

しかし、私たちは植物を自分たちと全く異なった存在だと思っていた。

今回この本を読み解くうちに、植物は電気信号を使い情報をやり取りし、五感を持って身を守り、進化論で有名なダーウィンは、植物の根(根端)は、外部の刺激を感じ取る感覚器官だと記している。

根端は複雑な働きをしていて、人間や動物の脳のような役割をもしているということだった。

 

そう見ていくと、「植物の個体一つが、一つの群れ」であり、大変高度な生き物に見えてくる。

確かに植物は「はるかに優れた知性」を持っていた!

 

外を歩けばたくさんの植物に囲まれています。

その一つ一つに、この様な生命活動が行われていると思うとなんだかとても興味深く楽しくなってきます。

今回この勉強会に参加するにあたり、ハーブという植物についてもっと違う観点から知りたい、植物についてもっと知りたい!という気持ちがありました。

そして、三か月前までは知り得なかった植物についての知識を、たくさん得ることが出来ました。

先生、そして一緒に勉強をされた方々ありがとうございました(^^)/

 

最後に、

「植物は置かれた環境で共生し合い、緻密に大らかに生きてる」

これが私が感じ取った究極の感想です。

 

Rさん、とても丁寧な感想をありがとうございます。

ハーブの勉強は、「ヒトがどのように利用するか?」という視点なので、農学が専門の著者が描く植物は視点が違っていて面白かったですね。

今回は、こうやって、一つの本を丁寧に読み解く奥深さを感じました。

 

次回は、2017年1月からこちらの本を読み解く会を開催します。

あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた (河出文庫) [ アランナ・コリン ]

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感想(2件)

読み解くだけでなく、学んだことをカラダで感じてみたい!! ということで、「腸内細菌を感じる瞑想会」を企画中。

 

プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事

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