HSPとエンパスの違いはサイエンスランドvsスピリチュアルランド
HSPとエンパスの違い
HSP(ハイリーセンシティブパーソン)とエンパスは、「敏感」という特徴がとてもよく似ています。
HSPは生まれつき高度な感受性を持つ人のことで、心理学者のエレイン・N・アーロン博士が使い始めました。日本語では「敏感すぎるひと」「繊細な人」などと訳されます。
アーロン博士はHSPの特徴をD.O.E.S(ダズ)で表しています。
Depth of processing(=プロセスの処理が深い)、
easily Overstimulated(=刺激を強く受けやすい)、
Emotional responsiveness(=感情的な反応が強い)、
empathy and sensitive to Subtle stimuli(=微妙な刺激に対する共感と敏感さを持っている)
エンパスは、英和辞書には「感情を読みとる能力のある人」と記載されています。
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【empath】:エンパス。感情を読み取る能力のある人。語源は『empathy(共感、感情移入)』。
HSP≒エンパスと書かれていることもあり、何が一緒で何が違うのか考えてみました。
結論として私が理解したのは、エンパスはスピリチュアルランドの言葉、HSPはサイエンスランドの言葉であり、使われる土俵が違うということでした。
しかし、2枚のシートを重ね合わせてみると、同じような特徴があるわよね~という感じです。
今日の結論はこれがすべてです。
サイエンスランドとは?
ところで、サイエンスランドとは、一体どんな世界なのでしょうか。
科学(science)の定義は諸派あって難しいのですが、私は、科学とは「この世の事象を理解しようという試み」であり、特徴として普遍性、客観性、論理性という特徴があると思っています。
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私は、普遍性、客観性、論理性をもって「この世の事象を理解しよう」と試みる世界をサイエンスランドと呼んでいます。
HSPは「敏感さ」の科学的検証の試み
アーロン博士の著書からは、何百人もの人にアンケートをとって研究していたことがわかります。
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アーロン博士は、客観性、論理性、普遍性という科学の枠組みの中で「敏感さ」という特質をとらえようとし、研究論文の形でも発表しています。⇒Research
HSPは、「敏感さ」をサイエンスランドの言葉で表現したものだと言えるでしょう。
「エンパス」について記載されている本やサイトに客観性、論理性、普遍性に挑んでいる記述はなく、主観を大切にするスピリチュアルランドの枠組みで「敏感さ」を表現した言葉だと思います。
言葉にこだわる必要はない
大切なのは、自分の幸せ。
「敏感である」という特徴は同じなので、言葉にこだわる必要はないですよね。
もし、今、生きづらいと感じているのなら、HSPでもエンパスでも良いので、自分がギフトとして受け取ることができる言葉を選びましょう。
繊細な人がそのギフトを受け取り、力に変えていくことが、宇宙の進化に必要な変容だと思うから。
プロフィール
- 薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事
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