「酵素」とは、カラダの中の化学反応を進めてくれるお仕事マン
皆さん、「酵素」って聞いたことありますか?
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最近は酵素ジュースが流行っていますね。
では、「酵素」とは一体なんでしょう??
Wikipedia先生によると、
生体で起こる化学反応に対して触媒(しょくばい)として機能する分子である。
だそうです。
わかる人にはナルホドの記載ですが、わからない人には、なんのこっちゃ?? ですね。
まず触媒(しょくばい)とは、下図で、反応の進行に必要なエネルギー(活性化エネルギー,Ea)を小さくして、化学反応を進みやすくするもののことを言います。
↑活性化エネルギー(Wikipwdia)より図を抜粋
化学反応は、身体の中に限らず、工場や試験管の中でも起きています。
2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木先生や根岸先生の研究は、「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」でした。
これは、パラジウムという元素を触媒(しょくばい)にすることで様々な化学反応が進みやすくなるという研究でした。
この研究成果から、それまで作るのが難しかった医薬品や農薬などの複雑な形の物質を作りやすくなり、私たちの生活は恩恵を受けています。
さて、私たちの身体の中でも、様々な化学反応が起きています。
この、生体内で起きている化学反応を進みやすくしているのが「酵素」です。
つまり、「酵素とは?」というギモンに私が答えるとすると、
『カラダの中の化学反応を進めてくれるお仕事マン』
という感じです。
とにかく、あらゆる代謝≒化学反応をやってくれているのは、「酵素」なんです。
「酵素」がないと、生命活動は成り立ちません。
DNAを作るためにも「酵素」が必要で、「酵素」を作るためにはDNAの設計図が必要です。
卵が先か、鶏が先か。
生命の起源を語る上でも、酵素はナゾのひとつです。
ここでちょっと視点を変えて、「酵」の字に注目してみましょう。
酒の器をかたどった、とりへん『酉』と、祖先やモトという意味のある『孝』が合わさって、「酒のもと」を意味するそうです。
お酒やパンが発酵する仕組みの研究から「酵素」が見つかったということで、なんとなく、納得です。
英語のenzymeは「イースト(酵母)の中」という意味だそうです。
現在では「酵素」はタンパク質であることがわかっています。
あの、アミノ酸が一万個くらいつながった、タンパク質です。
お肉や大豆に入っている、三大栄養素のタンパク質と同じ仲間です。
だから、「酵素」は物質であり、生物ではありません。
だから、「酵素」は死にましぇん。(失活はします。)
「お仕事マン」とか言っておいてナンですが、念のため・・・。
(ちなみに、酵母は生物です。)
プロフィール
- 薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事
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