インテグラル理論を学ぶ。
今日は、ホリスティック医学協会の「インテグラル理論を学ぶ」の講座でした。
インテグラル理論提唱者であるケン・ウィルバーの
「世界は救済を必要としていない」
という言葉は、去年の夏からずっと気になっていたものです。
第一回 インテグラルとは必要不可欠なものの「統合」
「インテグラル」と言えば、高校数学の積分で使ったインテグラル記号。
Sを長くした形のこれ↓です。
「グラフのここからここまでを、ぜ~んぶ足しちゃうよ」の、記号です。
数学の先生が、「これを使うと、どんな図形の面積も出ちゃうんですよ~!!」と、
嬉しそうに話していたのを記憶しています。
日本語では「統合」のイメージがありますが、英和辞書では「不可欠な」とか「完全な」という意味が出てきます。
ウィルバーの言う「インテグラル」は、いろいろなライフスタイルの単なる寄せ集めではなく、必要不可欠なもの、重要なものをしっかり見極めての「統合」。
だから、インテグラル理論は「全レベル・全象限」の統合なのです。
そのためにライフスタイルの要素を4つの領域に分け、その4領域をバランス良く取り入れていきましょう、というのが「インテグラル・ライフ・プラクティス」というもの。
で、その4領域とは、
①body
②mind 思考、感情、情緒など。
③sprit 瞑想、黙想など。
④shadow 無意識の領域
各分野での実践を心がけることで、盲点も少なくなる。すべてを網羅できるものがあるわけではないので、いろいろな実践を試みることが大切だそうです。
なるほど~。
それぞれの詳細についての、その後の考察。
↓
もう1つ、大切なのは「人間は、統合的であろうとする本能を有している」という言葉。
ヒトは、自己が持つ多様な側面や要素のすべてを開発、深化させて行こうとする本能がある。
これって、プロセスワークで言う「2次プロセス」の考え方に似ている。
今までと異なる新たな自分の側面や、生き切っていない自分を、もっと生きたいという欲望。
これも自分、それも自分、あれも自分。
いろんな自分を意識化すると、今より、もちょっと豊かで楽しくなりそうです。
そんな自分への深化が健全に発揮されるためには、必要最低限の道しるべが必要で、それが、理論。
とっても納得。
言葉にすると、今までいろいろ感じてきたことが改めて自分の中に入ってくる。
だから、理論もいいものです。
※詳しく知りたい方はこちらの本がオススメ。
↓
インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル [ ケン・ウィルバー ] 価格:3,080円 |
ウィルバーの厚くて、暑くて、熱い語りを感じることができます。
上に上にと向かって伸びる枝。本能。
↓
第二回 数学を学ぼうと思ったらダンスをしよう!
第二回、ボディ・スピリット編でのお気に入りの言葉は、こちら
↓
数学を学ぼうと思ったらダンスをしよう。
これは、ケン・ウィルバーではなくシュタイナーの言葉ですが、ボディケアの大切さを短的に表していて、わかりやすいと思いました。
シュタイナー教育では、数学のような抽象的な内容を学ぶために、身体のような具体的なモノとのつながりを大切にするそうです。
ボディの微細な感覚を感じることによって、理解が深まるとのこと。
ケン・ウィルバーも、「身体は知恵を持っている」と言っています。
ボディケアでは、意識化、言語化できないレベルで「なんだか、とてもスッキリして気持ち良かった。」という経験することがあります。
グラウンディングのセミナーでは、身体を感じるだけで涙が溢れてきて止まらない体験をしました。
高次の自己の意図は自我の理解を超えていることがあるので、言葉にならなくても変容は起きています。
森林の中で感じる心地よさも同じメカニズム。
森林療法・セルフケア体験会では、五感で自然界を味わったあと身体に意識を向けて感じていきます。
そして、その状態で再び自然環境を体験してみます。
その時、私たちが感じることが、言語化される前の精妙な変容なのかもしれません。
第三回 煩悩上等! 煩悩万歳!!
第三回、シャドー・スピリット編での講師は、相模女子大学の石川勇一先生。
先生は、ミャンマーで仏教の修行をしているそうで、「シャドー/スピリット」について仏教の視点からみるお話でした。
私は、仏教はほとんど学んだことがないので、かなり、難しかったです。
釈迦は、悟りを「苦しみが終わった状態」とし、そこにたどり着くための修行を教えているそうです。
その一つが瞑想意識(スピリット・センタードな意識)であり、精妙な意識状態の時には、煩悩が消滅し、喜びに充たされている感覚を得るそうです。
なるほど~。アルアル。
瞑想で気持ちよくなって、あれやこれやの悩みがどーでもよくなる時ってありますね。
どうやら、煩悩≒シャドーという流れでお話は進んでいる様子。
そして、
始めは一時的な体験であったものが、繰り返し瞑想をすることで、自分の中に構造化し、定着する。
これが、ウィルバーのいう「レベルアップ」らしい。
うん。わかる。
瞑想を続けていると、普段の自分の感覚も変容していく感じ、アルアル。
続いて、↓
このとき、レベルアップに相いれなくなったモノがシャドーとして噴出する。
とのこと。へぇ~。
そして、シャドーをどう扱うかというお話が省略されて、14個の煩悩の説明へ。↓
人間の煩悩には、主に3つ。
「貪(とん) 執着、先入観、自意識過剰などのむさぼり」
「瞋(じん) 反感、妬み、自責などの怒り」
「痴(ち) 愚かさ、盲目的、などの無知」これらがなくなると、心が動かない、清らかな心になります。
とのことで、煩悩を見つめる瞑想の説明を聞いてセミナー終わり。
ん?
あれ??
あれれれ???
シャドーわぁ~~。
出てきてしまったシャドーはどう扱うのぉ~~~???
そこ、一番聞きたかったんだけどぉ~~~!!!
セミナー終了後、私のモヤモヤ大爆発。一緒に参加したお友達に吐き出しまくり。
しかし、今日改めてレジメを見ていると、『シャドーにどう向き合うか』という項目があり、いろいろ書いてありました。
うぬぬぬ。
ここ、一番聞きたかったなぁ。
今現在の本音を言うと、清らかな心を目指して瞑想するのはいいのだけれど、その前に、煩悩を持っている自分も愛したい。と、思うのです。
今まで、煩悩を持っている自分をはっきり認識することで、煩悩が自分と統合されて、より、自分を好きになるという経過をたどってきた気がします。↓
清らかな心なんて、くそくらえ!!
煩悩は、なくなってもいいけど、なくならなくてもいい。
煩悩万歳。煩悩上等。
煩悩とともにある自分と一緒にいます。
大好きだよ、煩悩なワタシ!!!
煩悩のない世界といえば、コレ。
単なる原子の並びです。
↓
プロフィール
- 薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事
最新の投稿
- メディカルハーブ/植物療法2024年8月13日ソフィアフィトセラピーカレッジ卒業
- 人間界/心理学2024年5月4日ナラティヴ・セラピー体験~「問題」の歴史を言語化する?
- カラダ/生理学/生化学2024年5月4日腸内細菌を感じる瞑想会の実施記録~ワタシはまるごとここに生きている。
- 森林療法/セルフケア2024年4月7日『自然セラピーの科学』(朝倉書店)から学ぶ」