昆虫という生き方

昨日は、早稲田大学オープンカレッジ「生命(いのち)のにぎわいを探る」の第二回。

森林総合研究所の福山研二先生による「森と虫たち -虫は森の血液だ- 」でした。

 

 

先週の樋口先生といい、自然を研究し尽くしている方のお話は、本当に面白い。

昆虫は、私たち脊椎動物とはまったく違うコンセプトで進化してきた生き物です。

 

昆虫には幼少期と成虫で形態が変化する「変態」するものがありますが、福山先生によると「合理化を追及して得られたかたちではないか」とのこと。

 

イモムシは「脚のついた消化器」

成虫は「脚のついた生殖器」

 

幼少期はひたすら栄養を得て成長することに専念。

蛹の間に全てを溶かして身体を作り直し、成虫は生殖することだけに専念する。

だから、成虫になると口がなく、一切食べない種もいるとのこと。

 

生殖が目的だから、それで良いらしい。

愛とか、幸せとか、あいつが気に入らないとか、嫉妬するとか、複雑な感情が入り乱れる余地はない。

 

ただひたすらに、生命として種の保存のために生きる。

とてもシンプルで、圧倒される。

 

 

アブラムシなどは、メスがメスを生む無生殖でクローンの個体を増やします。

これについては、「多細胞生物の細胞分裂と同じではないか。」とのこと。

一つのカラダを大きくしてしまうと、柔軟性に欠けてしまうため、個体を増やすことで、幹をグルリと囲めることになり、より活動しやすい形を作っているのではないか・・・と。

 

これは、私も同じように感じていました。

ハチやアリのコロニーには、女王がいて、働く個体には生殖能力はありません。

女王を卵子、働きバチや働きアリを通常細胞と考えれば、コロニー全体が一つの個体として機能しているとも考えられるな・・・と、思っていました。

 

つまり、

巣として1つの生命体

個体という考え方が根本的に違う世界。

 

 

私たちの社会も、一つの有機体として存在しているようにも思えます。ここにも、フラクタル(入れ子)構造を感じてしまう。

 

身体をある程度大きくすることで進化した脊椎動物

小さいままに、柔軟に生きる力を獲得した無脊椎動物

 

来週は、さらに土壌生物の世界のお話だそうで、これもまた楽しみです。

 

アントロポゾフィー医学での昆虫

シュタイナーのアントロポゾフィー医学でも、ミツバチを群れでひとつの生体と考えるそうです。

ミツバチは群れでひとつの生体。

ハチが巣から飛び立ち戻ってくるのは、心臓からの血液循環と似ている。

ミツバチの巣は中の温度が一定に保たれている。

ミツバチは人間の自我と関わりが深い生物

上気道炎の炎症をコントロールするために自我の力を強めるためにミツバチを薬剤として用いる。

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より抜粋

 

アントロポゾフィー医学では、動物は神経系を持ち、感情をもつと考えます。

石は、欲望を持たぬ力によって形成されている。

動物の形態は、欲望に従って形成されている。

われわれがこの思考内容に没頭して観察に集中するとき、魂の中に二つの全く相違した感情が生じる。

(byシュタイナー)

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感想(12件)

 

 

嫉妬などの複雑な感情ではなく、食べ物への欲望、敵への怒りなどは、昆虫もあるように思います。

 

鉱物とは明らかに異なるスピリット。

 

それは、生きる本質。

昆虫からは、異世界的な生きる本質を感じております。

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プロフィール

飯田 みゆき
飯田 みゆき森と魂のセラピスト
薬剤師/公認心理師/産業カウンセラー/プロセスワークプラクティショナー/森林インストラクター/森林セルフケアコーディネーター/メディカルハーブプラクティショナー/ドルフィンスターテンプル認定ヒーラー/日本森林療法協会元理事